尺について
尺のポジションについて
尺のポジションはちょっとややこしいルールがあります。
それは、曲によって移動するということです。
上の図のように、歌口より約15センチのところを「低い尺」、約17センチのところを「高い尺」といいます。
※西洋音階でいうと低い尺を「シ♭」、高い尺が「シ」になります。厳密にいうと多少のずれがあるのですが、あまり細かな指摘をすると混乱してしまうので、ここでは大体このとおりと覚えておいてください。
市販されている漢字の工工四シールでは、シールの仕様により、七の位置に尺がついているものと、単独で17.3センチのところに尺が貼り付けられているものや、ハサミで尺だけを切り離す必要のあるものなどいろいろです。
上の図と、このページの説明で「ああ、そういうことね。」とご理解いただければと思います。
工工四にはただ「尺」とだけしか書かれていない場合が多いのですが、実は、曲によって、「低い尺」の場合もあるし、「高い尺」の場合もあるのです。
しかも、「低い尺」と「高い尺」の2箇所というわけではなく、その間もポジションとして使用するのです。
要するに、それぞれの曲によってポジションが移動しますので、曲自体のメロディーを知らないと、どの位置の尺を押さえていいかわからないんです。
曲中で、「低い尺」を使用する場合は、たいてい一貫して「低い尺」を使用します。
同様に「高い尺」が出てきたら、その曲では全部「高い尺」。
しかし、例えばザ・ブームの「島唄」や、その他歌謡曲などでは、同じ曲中で「低い尺」と「高い尺」の両方を使用する場合もあります。
その場合は、「低い尺」を『尺♭』、「高い尺」を『尺♯』としたり、違う位置であるという表記がなされます。
当店で初心者のかたによく販売している教則本「楽しい沖縄三線教室」では、「高い尺」を尺を○で囲んで「まるしゃく」としています。
ちょっとややこしいですよね。尺のポジションは癪に触る‥
あまりムズカシイことは考えず、低い尺、高い尺の2つを覚えて、やっていくうちに要領がつかめてくるはずです。
原曲や音源をよくきいていると、「あれ?ここはもう少し高めの尺だな」と言う具合に、指で探して適当なポジションを押さえるようになってきます。
さきほど紹介した教則本「楽しい沖縄三線教室」の著者山内昌也さんのブログに勘所についての詳しい補足記事がありますのでご参考ください。