カラクイ(糸巻き)のトラブル

カラクイの困ったを解決する

三線のトラブルで一番多いのが糸巻きである「カラクイ」の取り扱い、不具合、修理でしょう。
初心者の方にとっては「最初で最大の壁」だと思いますし、演奏に慣れてきた中級者、ベテランの方にも悩みも多いかと思います。
このページではカラクイのあらゆる困ったを解決するためのヒントをお伝えします。


三線の不具合に関しては専門店に診てもらうのがベストです。このサイトの情報を元に自己解決できる場合もございますが、その際には自己責任でお願いいたします。

カラクイがとまらない

止まらない原因を見つける

カラクイが折れているわけではないけれど、調弦の時に緩みやすい、止まらないという場合には、

  1. 「弦の巻きつけ方」
  2. 「カラクイの噛み合わせ」
  3. 「カラクイと棹の素材の相性」

の順に止まらない原因があることを疑います。

弦の巻きつけ方を見直す

一番最初に疑うのがカラクイに弦を巻きつけていく「巻きつけ方」です。

 ご購入時には大丈夫だったけど、使用していくうちに弦が伸びきって巻きつけ方のバランスが崩れたり、

新しく弦を張り替えるときに正しい弦の巻きつけができず止まらなくなってしまったりすることあります。

 正しい巻きつけ方ができればたいていは三線店へ持ち込むことなく、お金をかけず解決ができるはずです。
 


カラクイは三線の棹のカラクイ穴にねじ込むように突っ込んで、その摩擦で止まる構造です。
 弦の巻きつけ方が悪いと弦の張力によってカラクイを外に押し出す力がその摩擦を弱め止まりにくい状態になったりするのです。


動画 [男弦のカラクイが止まらない場合]

動画[中弦のカラクイが止まらない場合]

動画[女弦のカラクイが止まらない場合]


悪い巻きつけ方

まずは悪い巻きつけ方を説明します。なぜ悪い巻きつけ方なのか理解できると、同時に正しい巻きつけ方の理解につながります。

男弦(ウーヂル)の悪い巻き方

写真のように弦が糸蔵の左側の壁に詰まってしまいこれ以上弦が巻きつけられなくなったり、カラクイが中に押し込めなくなり、止まらない状態になると非常に調弦が困難になります。

三線をご購入時には問題なく使用できていたけれど、時間が立って弦が伸びきってしまい左のほうに弦の巻きつけが溜まっていくことがあります。

また新しく弦を張り替える時にもこのようにならないように注意しなければなりません。

男弦(ウーヂル)の悪い巻き方の画像


中弦(ナカヂル)の悪い巻き方

三線の棹とカラクイの噛み合わせが良く摩擦が十分に働いていると止まってくれる場合もありますが、ふとした瞬間にバランスが崩れ摩擦が弱まると弦が戻ろうとする張力によりばらけてしまいます。

中弦はセンターより右側に傾くように巻き終えてしまうと、弦の張力によりセンターに戻ろうとするので、カラクイを押し戻す力が働いてしまいます。

一度ばらけてしまうと巻き方のクセがついて何度カラクイを押し込んでもすぐにゆるんでしまいます。

中弦(ナカヂル)の悪い巻き方の画像


女弦(ミーヂル)の悪い巻き方

女弦は左方向に巻いていくと、巻き終わりが左斜めになりますが、まっすぐに戻ろうとする張力がカラクイを外に押し出す力となってしまいます。

女弦(ミーヂル)の悪い巻き方の画像


正しい巻きつけ方


男弦の正しい巻きつけ方

弦を通す穴が左よりにあいている場合


中弦の正しい巻きつけ方


女弦の正しい巻きつけ方

右方向に巻いていっても緩みやすい場合もあります。

女弦は構造上右斜めに巻き終えることはできませんが、できるだけ歌口からまっすぐ伸びるように巻き終えるとよいでしょう。

右方向に巻いていっても緩みやすい場合は下の写真のように糸蔵の右側の壁に詰めるように巻きつけると緩みにくいです。

詰めすぎると固く回しづらくなるので微妙な加減が必要


2.「カラクイの噛み合わせ」を調整する

この項目は現在執筆中でございます。しばらくお待ちください。

3.「カラクイと棹の素材の相性」が悪い場合は?

この項目は現在執筆中でございます。しばらくお待ちください。